2016/11/13

萬来亭で菊花大閘蟹宴(秋の上海蟹宴会)2016

すっかり恒例行事となった上海蟹宴会をやっぱりいつもの横濱中華街・萬来亭で実施してきました。

宴会仲間も私も萬来亭の上海蟹宴会を毎年楽しみにしています。毎回、どうしても外せないおなじみメニューを組み込むものですから、それ以外の数品で変化をつける必要があります。これがまた大変に難しく(かつ楽しく)、いつも幹事を悩ませます。宴会の度に、所有する文献をひっくり返して調べ上げるのですが、結局のところ、過去に出してもらった料理に再登場願うことになります。芸がないようですが、それがベストなのだと確信しています。

今回のメニューは、以下のとおり。

1. 雪菜毛荳炒百頁:塩漬け野菜、枝豆、押し豆腐の炒め物
2. 醉蟹或蒸蟹:酔っ払い上海蟹 または 蒸し上海蟹
3. 紅焼中蝦茭白:エビとマコモダケの醤油炒め
4. 芋頭炆鷄:里芋と鷄の煮込み
5. 蟹肉蟹粉獅子頭:蟹みそ、蟹肉の肉団子
6. 醤爆蟹:上海蟹のみそ炒め
7. 蛤蜊燉蛋:はまぐりの茶わん蒸し
8. 醤爆蟹拌麪:上海蟹のみそ炒めの和えそば
9. 桂花酒醸湯圓:酒粕のお団子スープキンモクセイ風味

さて、宴会当日。この日の天気は、晩秋らしく突き抜けるような晴天。おまけに小春日和。真っ昼間から宴会のことしか考えていないダメな面々が集いました。

天気のせいか、料理のせいか、いつもよりもハイペースで紹興酒が消費されるどんちゃん騒ぎとなりました。

すばらしい料理の数々は以下のとおり。

雪菜毛荳炒百頁
 塩漬け野菜、枝豆、押し豆腐の炒め物。

今回も予算の関係で、上海蟹は、蒸し蟹か酔っ払い蟹を選択する方式をとりました。
蒸蟹
もちろん、これは上海蟹の蒸し物。
醉蟹
 これは、酔っ払い上海蟹。
紅焼中蝦茭白
エビとマコモダケの醤油炒め。
宴会当日朝、店主から電話があり、マコモダケを薄くスライスにするか大き目にカットするかの質問がありました。マコモダケは歯応えが楽しいので、大き目カットでお願いしました。今回、エビの使用を指定していなかったのですが、これがまたマコモだけと実によく合います。思わず、うなりをあげてしまいました。

芋頭炆鷄
里芋と鷄の煮込み。
鷄の味はすっかり抜け落ちて、里芋に染みております。こういうのを出されたら、美味しくて涙がでてきます。さらに、大き目にカットされた生姜の歯応えとおいしさといったら!
蟹肉蟹粉獅子頭
蟹みそ、蟹肉の肉団子。
厨房に沢山のスタッフがいる大きな店ならいざ知らず、萬来亭のような小さな店でこういう手間のかかる料理をだしてもらえることのありがたさ!噛むほどに、上海蟹の風味が滲む絶品です。
醤爆蟹
上海蟹のみそ炒め
上海蟹を独自ブレンドの甘めの味噌をつけて炒めたもの。この甘味噌だけではただの甘い味噌でしかないのですが、上海蟹と合わさるとこ、れほどまでに美味しくなる。奇跡の組み合わせ。
蛤蜊燉蛋
 ハマグリの茶わん蒸し
上海蟹宴会では、濃い味付けのものが続きますので、さっぱりしたものを組み込むようにしています。今回は、後半のスープでそれを実現することにしました。干絲湯(荳腐干と蝦米のスープ)にするか茶わん蒸しにするか悩んだのですが、今回はハマグリの茶わん蒸しを選択。ハマグリの旬からは思いっきり外れているので…そこで代打で登場したのが、ホンビノスです。この謎の名前をもつ二枚貝ですが、出汁が効いて大変に美味しい。高価なハマグリはお金持ちにまかせて、これからはホンビノスですよ!

醤爆蟹拌麪
絶品の醤爆蟹で残った(「残させた」が正しい)味噌を萬来亭の上海焼きそば用の極太麪で和えたもの。この一品の為に、上海蟹宴会をやっているようなものです。昨年は、幹事の指示ミスで細麺が使われて今一つなことになってしまいましたが、今年は違います。上海蟹の風味が染みた味噌と、萬来亭が誇る極太麪の饗宴!うまいという言葉以外のものがでてきません!
桂花酒醸湯圓
酒粕のお団子スープキンモクセイ風味。
上海の伝統的なデザート。酒醸のさっぱりとした甘酸っぱい風味が我々を幸福へと導きます。

今年も、幸せな夢のような時間を仲間たちと過ごすことができました。おっと、紹興酒の飲み過ぎで、甕が空っぽです。予算オーバーで、追加料金発生だあ!(いきなり夢から目が覚め現実に引き戻される…)

この宴会が終わると、いよいよ年末年始に向けて、なんだか忙しい季節に突入します。

幸せになる料理を空間とサービスを提供してくれた萬来亭に感謝。
へべれけな宴会仲間にも感謝。

2016/10/22

東京新橋<臺灣麪線>で、シーズン初の火鍋宴会

友人から「新橋の台湾麺線に<特選麻辣薬膳羊火鍋コース>ってのあるらしい。宴会やりますから是非。」と嬉しいお誘いだ。火鍋大好きな私としては行くしかあるまい。
実は、臺灣麪線には何度か訪問しているのですが、なぜか「本日の営業は終了しました」な目に遭っていて、1度しか実際に食べたことがありません。今回は、晴れて堂々と店の門をくぐることができました!



店のメニューによると、コース内容は以下のとおり
・サラダ
・前菜
三種盛
・麻辣薬膳羊火鍋※
・鷄排
・〆(小麪線か小魯肉飯)
※:火鍋のスープに使用されている漢方成分は以下のとおり。
・桂圓(けいえん):精神を落ち着け、冷え性を改善します。
・草果(そうか):ラウンドカルダモン。食欲を増進します。
・川芎(せんきゅう):血の流れを改善します。
・當帰(とうき):血液を増やします。
・大棗(たいそう・紫色のナツメの実):滋養強壮の働きがあります。
・白荳(びゃくずく・カルダモン):胃腸機能を高めます。

飲み放題付!

…だそうです。
メンバーが揃ってきたところで…何か様子がおかしい…そうか!みんな仕事帰りなのでスーツとか着てるのだ。普段会うときは、週末なのでアロハとかカジュアルな恰好。慣れないいでたちでの集まりでどこかよそよそしいのでした。


さあ、ここからはもう怒涛の火鍋宴会。10月も下旬だというに、昼は夏日を記録したこの日に、よりによって火鍋!燃えに燃えました!


前菜と三種盛
どれが前菜なのかは不明

サラダ

麻辣薬膳羊火鍋

鷄排

小麪線
これ、なんか少なそうに見えるかもしれませんが、おなかがはち切れそうになるくらいの量でした。また、野菜が沢山食べられたのも嬉しいです。火鍋のスープ、ホント美味しかった。スパイシーな鷄排や麪線も言うことなし!

美味しいものを沢山食べて、飲み放題でどんちゃん騒ぎのあとは、お店にお礼を言って帰途につきました。おっと、店の外はけっこう涼しいじゃありませんか。やっぱり秋です。でも、お腹は、薬膳効果なのかとても暖かいんですよ。

お店の皆さん、おいしい料理をありがとう。ドンちゃん騒ぎですみませんでした。幹事さん、どうもありがとう。そして、いつもの宴会仲間に感謝。




2016/10/09

横濱中華街・南粤美食で秋宴会

例年、秋の宴会は上海蟹宴会だけを実施してきました。しかし、1回では秋という最高の季節を満喫しきれないため、どうしてももうひとつ旬の食材を使った宴会を実施したいと考えていました。
宴会準備中
幸いなことに、南粤美食という大変に興味深い店がオープンしてくれましたので、今回はこの店で秋宴会を開催することにしました。
宴会準備中
2016年の秋は、台風や大雨、日照不足などにより北海道をはじめとする各地の農産物は大打撃を被り、野菜の市場価格は高騰しました。そのため、少し多めの予算を提示して料理の相談をしていきました。
臘鴨
今回は合計4回、店に顔をだしていろいろ相談しました。通常、まず自分が食べたい料理のコース作成、提示し、それをたたき台にして最終合意までをとりつけます。なぜ、ここまでするのかというと、「完全におまかせ」にした場合、中国人コックさんは「日本人が好きそうな差し障りのない料理」を投入してきますので、全然面白くないことになるからです。「私は、こういうものが食べたいのだ」ということを認識してもらうために、自分でコースを組み立てたものを提示しています。もちろん、今回も手順は同じです。
鹽焗鷄と燒鴨
南粤美食のオーナーシェフは、はなかなかの頑固者かつ変わり者。私がお願いした食材を頑なに拒否したり、違う食材で作ってみると言い出したり・・・とりわけスープ談義になると、もう止まらない。暴走する機関車のように熱く語ります…やっぱりスープ命の廣東人ですね。
調味料の数々

テーブルの配置
今回は、20名を1テーブルに収めてみました。奥の席は狭いし、トイレにも行きにくいといった欠点があるけれど、この方がみんなの顔がみられてよいという判断からこの配置にしました。


この日にでてきた料理は以下のとおり(登場順)。
01.鹽焗鷄
02.淮山杞子紅蘿蔔螺頭排骨湯
03.黄酒煮薑蕃薯鷄
04.緑波荳腐
05.南瓜蒸排骨
06.椒鹽鮮魷
07.薑汁炒芥蘭
08.臘鴨臘肉臘腸煲仔飯
09.港式炒麪
10.冰糖雪耳燉蓮子

宴会の内容を考えるとき、料理の順序には細心の注意を払っています。しかし、この日に出てきた順序は、指定した順序とは大きく異なり、正直ボロボロ。でも、宴会参加者はそんなこと笑って流せる連中なので無問題。食べログに「料理の順番が変で、ガッカリです!」なんて書き込むお間抜けグルメちゃんは私の仲間にはおりません。


鹽焗鷄
鹽焗鷄(鷄の塩釜蒸焼き)です。オーナーシェフの故郷の味。噛めば噛むほどに美味しくなります。
淮山杞子紅蘿蔔螺頭排骨湯
当初、蓮藕と牛筋のスープを打診したところ、 スープ談義に花が咲くというか、咲き乱れるというか、廣東人シェフにスープの話を振った私がバカでした。廣東料理のスープならではの深い味わいです。大きく切った螺頭の歯応えとおいしさといったら!

黄酒煮薑蕃薯鷄
生姜、サツマイモ、鷄のぶつ切りの黄酒(紹興酒で代用)煮込み。前回の宴会で作ってもらった梅菜扣が大変においしかったので、今回も客家菜を頼んでみました。初めて作ったということでしたが、 なかなかの出来栄え。サツマイモの皮は剥かない方が郷土料理っぽくなってよいかもしれません。

緑波荳腐
香港元朗の大榮華酒樓で元朗菜として紹介されていた一品です。皿の底に、牛乳と卵白を蒸した粘度の高いプリン状にしたものがあり、その上にホウレンソウをすりつぶしたもの、海老、ホタテを荳腐に絡めた餡をかぶせた二重構造になっています。これも、初めて作ったとのことですが、絶品に仕上がりました。
南瓜蒸排骨
これは、「茄子か南瓜を使った料理を」というあいまいなリクエストに対するシェフからの回答です。
ニンニク風味が少々強いどころが香港風味。南瓜はもう少し火を通して、ホクホク感をだしてもらえたら私好みで完璧だったかと思います。

椒鹽鮮魷
海鮮を一品入れようと思い、椒鹽鮮魷を組み込んでみました。ちょっと期待した味ではなかったのですが、これを食べるとみんなが笑いだす懐かしい味で、ひとしきり盛り上がりました。


薑汁炒芥蘭
歯応えまでも美味しいガイラン。見よ!この色!


臘鴨臘肉臘腸煲仔飯
秋らしく干し肉を使った煲仔飯。仕上げの火入れがちょと弱いので再加熱してもらいました。香りがよくて、おこげもできて、すぐになくなりました。

港式炒麪
まだちょっと物足りなかったので、香港焼きそばを追加。香港の街角で売られているものよりも高級感がでちゃって美味しくなってますが、香りや食後ののどの渇きなど、よく再現できてます。

冰糖雪耳燉蓮子
白きくらげと、蓮の実、ユリ根の温かいデザート。こういう古風なデザートは、趣があって心が休まります。

食べ終わったので、おつまみとお酒でご歓談

呑んだなあ!
今回も店を貸切っての宴会。手間のかかる料理や作ったこともない料理もきちんと対応していただき、感謝の気持ちでいっぱいだ。また、この店の2階の広さが友人たちとの距離を近づけてくれるにはちょうど良い広さなのがいい。鄭氏オーナー時代の天龍菜館のような店になってくれたらうれしく思います。

2016/10/08

山菜川魚料理の《ともん》で、キノコ宴会。




友人からのお誘いがあり、埼玉県入間市にある山菜川魚料理の《ともん》で、旬のキノコ宴会。今回は、2回目の訪問で、1回目は春の山菜宴会。夏のあゆ宴会には行きそこなってしまったので、秋のキノコ宴会を楽しみにしておりました。


横濱に住んでいる私にとって、埼玉県入間市はあまりなじみない土地です。しかし、便利なことに東横線が西武鉄道池袋線に乗り入れているので、時間帯によっては一度も乗り換えることなく入間市駅までたどり着けるのです。今回も東横線で居眠りしている間に、入間市駅にたどり着きました。10月1日のこの日は横濱よりも1~2度気温が低いようで、アロハでは少々肌寒かったです。でも、駅から10分ほど歩くと、暖かくなってきました。


これが《ともん》の外観。心が洗われるような料理をだす奇跡の店です。



店の周辺の写真を撮ってから店に入ると、もう友人たちが集まっておりました。


上の画像が、本日使用するキノコです。お店の方から丁寧に説明していただけます。自分たちで採取してきたものですから、思い入れが全くちがうことがひしひしと伝わってきます。本日は、旬のきのこと名残りのあゆを楽しませてくれるとのこと。

さあ!宴会がはじまりましたよ!
どんどん、写真いっちゃいますよ。
ひとつひとつ、おいしいとか書いてる暇ないです。
すべてが、沁みるようなおいしさなんです。

いろいろきのこの煮びたし

いろいろきのこの天ぷら

いろいろキノコのモツ煮

いろいろキノコの煮物

鮎の塩焼き(オスメス)

鮎の塩焼き(オスメス)

鮎の塩焼きと沢蟹の素揚げ

イカの塩辛(日本酒だあ!)

うるか(やっぱり日本酒だあ!)

きのこごはん

どうみても漬物

おまけ
これは、私たちとは別の宴会のお客さんの私物。ご自分で収穫してきたキノコだそうです。どうやら、きのこマニアの懇親会らしい。
ディープな世界があるものです。